早期治療(混合歯列期の治療)
大人の歯が生えてきて歯並びが気になったら
5~6歳で最初の永久歯が生えてきます。
そして最後の永久歯が生え、歯並びが完成するのは12~13歳頃です。
どんな歯並び、顔貌になるのか?とても大切な時期です。
治療期間について
歯の生え方やあごの成長に合わせて、大人の歯に生え変わるまでに行います。
ただし早期治療期間中はずっと毎月通院していただくわけではなく、装置の種類にもよりますが1~2ヵ月に一度程度の通院後に、4~6ヵ月に一度程度の経過観察となることがあります。
早期治療を行うメリットについて
早期治療では、あごの成長をコントロールし不正咬合の程度を少なくするメリットがあります。そして、永久歯での本格治療に移行した時に、歯を抜く可能性を低くしたり、固定式の装置を付けている治療期間を短くするなど、本人の負担を少なくする結果へと導きます。
子供の矯正は歯の生えかわりだけでなく、顔面骨格の成長も考慮に入れて将来の展望を見据えた診断が大切です。歯の生えかわりだけをみて、あごを拡げるだけでどんな症例でも歯を抜かずに治せるというわけではなく、予測を判断するのが難しい治療です。
当院では専門知識を持った日本矯正歯科学会認定医が治療を担当いたしますので早期治療の必然性について、詳しい検査と正しい知識の下で明確にいたします。
3段階の矯正治療
矯正治療というと子どもが対象では?と思われるかもしれませんが、大人になってからでも矯正治療は可能です。
歯医者さんによっても治療の進め方や費用が異なりますので、当院の矯正治療についてご説明します。
当院の矯正治療は3段階に分けることが出来ます。
第1段階 3~5歳頃
口輪筋トレーニング
歯は様々な筋肉によって囲まれており、その筋肉を口輪筋と呼びます。外側は唇や頬、内側は舌などの口輪筋のバランスによって歯並びは良くも悪くも影響を受けます。乳歯は永久歯の道標になるもの。この第一段階で口輪筋のバランスを整えます。
具体的には口輪筋トレーニング用のマウスピースを使用します。基本的には就寝時のみ、6ヶ月から1年程使用します。下顎が前に出ているお子様はこの段階で早期に始めることをお勧めします。
第2段階 6~10歳頃
床矯正
乳歯が生え替わり、永久歯が前歯4本程度揃った時期です。既にこの段階で歯が前後したり、他の歯が入るスペースがない場合があります。これは顎の大きさが小さいためで、歯の大きさは普通でも入るスペースが無くなるのです。この場合、顎を拡げる装置が必要になります。(輪郭が変わるほど拡げることはありません。数ミリの拡大です。)それが床矯正と呼ばれる、床の付いた拡大装置です。取り外しできるものと固定式のものがあり、その組み合わせで歯の入るスペースを確保します。
この段階で矯正をスタートする利点は、成長期ですので顎の成長を利用してスペースを確保できる点です。つまり、抜歯することなく歯がきれいに並ぶ可能性が高くなるのです。
期間は6~18ヶ月程度です。
筋機能矯正装置(機能的顎矯正装置)
下の写真は筋機能矯正装置(マウスピース)により顎の成長を促し歯の生えるスペースを確保して矯正を行いました。
成人矯正のようにバンドを付けるのではなく、マウスピースで歯並びを整える事ができることもあります。
筋機能矯正装置は「かみあわせ」と「歯ならび」を改善すると同時に、機能的な側面「口呼吸から鼻呼吸へ」を非常に重要と考えています。
筋機能矯正装置を使って行う独特な機能的トレーニング法は、この「口呼吸から鼻呼吸へ」の改善を促します。
この改善がお子様の歯ならびだけでなく成長・発育にもとても大切だと考えています。
- 治療期間
- 2年間
- 費用
- 200,000円(税別)
- 年齢(矯正開始時)
- 6歳
治療前
下の前歯の歯並びが不揃い、噛み合わせが深い小学1年生のケースです。
日中1時間と就寝時に筋機能矯正装置を装着して頂きました。
上顎
正面
下顎
治療後
歯の生える土手部分の成長を促し歯が並ぶスペースができることにより歯並びが改善しました。
上顎
正面
下顎
第3段階 11歳頃~
ブラケット矯正
ほとんどの歯が永久歯に生え替わった段階です。大人の矯正と同じで歯の入るスペースがない場合は、抜歯して矯正治療する必要があります。抜歯することで歯のスペースを作り、出っ歯や反対咬合を治します。
期間は2年~3年程度です。